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社長 経営 失敗

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なぜ社長は経営を失敗していくのか?
〜「経営を学ばない」10の原因とメカニズム〜

【無料レポート】
なぜ社長は経営を失敗していくのか?
〜「経営を学ばない」10の原因とメカニズム〜


浜口隆則

著者/浜口 隆則
株式会社ビジネスバンク 代表取締役社長

 
横浜国立大学教育学部卒、ニューヨーク州立大学経営学部卒。
会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援する仕事をするために20代で「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションにした株式会社ビジネスバンクを創業。現在は起業支援サービスを提供する複数の会社を所有するビジネスオーナーであり、アーリーステージの事業に投資する投資家でもある。「幸福追求型の経営 / 戦わない経営 / 小さな会社のブランド戦略」など、独自の経営理論にはファンが多い。
 

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「問題に気づいていないことが、最大の問題」


 
本レポートを読もうとされている方々は、きっと「経営を知ること」や「経営を学ぶ」ことの重要性に気づいている可能性が高いので、ある意味、最初で最大の壁を超えていると思います。
 
何事もそうですが、最も問題が深刻なのは、その問題の存在に全く気づいていない時です。
 
車を運転する時なども、問題(例えばバックする時に人や障害物が見えていない可能性があること)を知っていて、気をつけていれば、事故を起こす確率は低いです。何かにぶつけてしまったり、事故を起こしてしまったりするのは、気をつけていない時であり「問題を意識していない時」である場合がほとんどです。
 
社長が経営することにも、車を運転することと全く同じことが言えます。
残念ながら、多くの社長が失敗していきますが、それは、そもそも問題に気づいていないことが多いからなのです。
 
本レポートは、数千社の経営と数千人の社長の「現実と趨勢」を見てきた私たちが、多くの「社長が気づいていない問題 = 社長が経営を学ばない原因」に関して、まとめたものです。
 
忙しい社長のために、なるべくシンプルにまとめました。一つの考えとして参考にして頂ければ幸いです。

1 87%もの会社が失敗しているという現実


 
私たちが数年前に(経済産業省や国税庁のデータを)調べたところ、過去30年間に廃業した会社は【281万9千社】もありました。毎年【約9万4千社】も廃業していることになります。また、廃業せずに済んで、生き残った現存の会社の中で、赤字の会社は【72.8%】でした。つまり、現存する会社のほとんどの会社が赤字であり、廃業予備軍と言えます。
 

87% 会社 失敗
 

総合して考えると、全体の【約87%】が失敗しているという計算になります。この数字は、多くの社長が「社長の仕事」を正しく行なっていない結果と言えます。
 

2 経営を失敗するのは、実は初歩的な理由


 
では、なぜ、87%もの会社が「社長の仕事」を正しく行わず、経営を失敗してしまうのでしょうか?
 
「全体の87%もの会社が失敗している」という現実を突きつけられると、「経営は難しい」と感じてしまいます。確かに、経営を成功し続けることは簡単ではありません。
 
実際、ほとんどの会社が失敗してしまうほど、経営は難しいのでしょうか? 私自身も昔は「経営自体が難しいから、失敗する人が多いのは当然だ」と感じていました。
 
しかし、30年近くにわたって経営にたずさわり、数千社の会社と数千人の社長とお付き合いしてきた経験から言うと、経営は、そんなに多くの会社が失敗するほど難しい活動ではないということが分かってきました。
 
では、何が問題なのでしょうか?
経営が難しいのではありません。経営を実行する社長に課題があるのです。
 
高飛びに例えて言うと、経営の難しさは、それなりに準備をした者には、十分に飛べる高さであるということです。しかし、準備やトレーニングをしないで飛べるほどの高さではないのです。
 
そうやって考えると、実は、原因は初歩的なことでした。もちろん、現象だけを見ると、失敗する原因は多岐にわたります。しかし、それらを紐解いていくと、社長が「経営を知らない」「経営を学んでいない」という原因に行き着くことが多いのです。
 
社長が「経営を知らない」「経営を学んでいない」ということが、多くの失敗の起因となっていて、根源的な原因になっているということです。
 
「経営をするなら、経営について知っておいた方がいい。」ということは、客観的に聞いていると当たり前のことのように聞こえると思います。しかし、驚くべきことに、多くの社長は経営を知らないまま失敗していきます。
 
知らないことで成功できるはずがありません。稀に成功することはあっても、確率は著しく低いです。
 
しかし、多くの社長は経営を学ぼうとしません。残念ながら、この不思議な現状が「多くの失敗の土台」となってしまっています。
 

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3 社長が経営を学ばない<10の原因>


 
では、なぜ、多くの社長が「経営を学ぶ」ということをしないままなのでしょうか?
 
端的に言うと、社長が学ばなくなるのは「必要性」に気づかないからです。人は、何らかの必要性を感じないと積極的には動かないものです。それは社長でも同じです。
 
では「なぜ、必要なことに気づかないのか?」ということです。私も、最初は不思議で仕方がありませんでしたが、数千人の社長のお手伝いをするうちに少しずつ、その謎が解けてきました。
 
社長が「経営を学ぶ必要性」に気づかなくなってしまう原因は、今のところ10通り考えられます。
 
これら10通りの原因は、誰しも一つは該当することがあると思います。ですから、自分自身に照らし合わせながら読んで頂けたらと思います。
 
 

【 原因 ① 】 ダニング・クルーガー効果

 
まずは一つ目の原因は「ダニング・クルーガー効果」です。
 
「効果」と表現されているので、ポジティブに感じるかもしれませんが、そうではありません。こういった傾向が人に存在するからこそ、人が成長できなくなって失敗してしまうという恐ろしい傾向です。
 
 

ダニング・クルーガー効果

 
 
図をご覧になって分かる通り、人は「実力や経験値が少ないほど、自信を持ってしまう」傾向があるということです。
 

ダニング・クルーガー効果 社長 失敗

 
知らないからこそ、自信を持ってしまうのです。
 
ですから、経営を始めた初期段階で「自分はできる」と根拠のない自信を持ってしまい、経営知識の必要性を無視してしまいます。
 

ダニング・クルーガー効果 経営 学ばない
 

 
社長として初心者の1年生が最も自信があり、自分の経営者としての能力を最高に過大評価しているということになります。ですから、経営をしているにも関わらず、経営を学ぼうとしないですし、経営を知らない危険な状態を危険とも認識することが出来ません。
 

ダニング・クルーガー効果 経営 学ばない 失敗

 
 

【 原因 ② 】 経営ではなく、仕事をしている

 
社長は経営をするものだと、多くの人が思っています。
しかし、現実は違います。
 
実は、多くの社長が「経営」ではなく「仕事」をしています
 
経営は仕事の一つ一つを効果的に結びつけて、全体を最適化し、相乗効果を生んで、チーム全体の効果を最大限に高める活動です。
 
仕事は部分であり、経営は全体です。
 
 

経営の12分野

 
 
しかし、多くの社長は現場に入って仕事をしているので、全体最適を行う経営という活動を実行できていません。
 
実行していないからこそ、経営を学ぶ必要性を強く感じないのです。
 
中小企業であれば、社長が現場で仕事をすることが多いことは、ある意味、仕方のないことでもあります。しかし、「プレイング・マネジャー」という言葉がある通り、プレイヤーでありながらマネジャーでないともいけないのです。両方を何とかやりくりする必要があります。
 
社長は、会社が成長して、安定していけば、仕事より経営に専念するべきです。
しかし、多くの社長が社長業である経営に専念できないのは、経営することが「社長の仕事」でありながら、実は仕事ばかりをしてきていて、経営を知らないからなのです。
 
 

【 原因 ③ 】 偶然の成功

 
「一旦、成功した会社でも、数年のスパンで見ていくと失敗する会社が多いのは、なぜなのだろう? 」
 
20代の頃から、多くの中小企業に関わらせてもらい、不思議に思っていました。しかし、さらに多くの会社と関わっていくうちに謎が解けました。
 
成功している会社の多くは、偶然、上手くいっただけだったのです。
 
経営は不思議なもので、偶然、上手くいくことがあります。
いや、偶然、上手くいっていることが多いと言っても過言ではないです。
 
それらを「空飛ぶ絨毯 経営」と呼んでいます。
 
 

偶然の成功 経営

 
 
偶然、上手くいっているので飛べていますが、経営のことを知らないので、「なぜ跳べているのか?」「なぜ上手くいっているのか?」が理解できていないのです。
 
偶然は、残念ながら、いつか終わります。
 
偶然の要素で成り立っていた部分が、時間の経過とともに無くなると、経営を知らない社長は、その部分を再構築することが出来ません。偶然によって成り立っていたので、成り立たせる方法を知らないのです。
 
さらに言うと、その要素が成功の鍵の一つであり、経営の要素であったということすら理解できていません。偶然によって成立していたので、強く意識する必要がなかったからです。
 
偶然、上手くいっているだけなのに、自分の実力だと勘違いしている社長が、残念ながら多いです。
 
 

【 原因 ④ 】 正常性バイアス

 
バイアスとは、私たちの認知を歪める傾向のことです。
 
社長のメンタル(心の強さ、マインド)は、社長力を構成する重要な分野ですが、その中で「気をつけないといけない」と最初にアドバイスしているのは、人には、このようなバイアスが多く存在していて、そのバイアスによって自分たちが理解していることは正確ではなく、歪められていることが多いということです。
 
認知バイアスは、100種類以上あると言われています。
①のダニング・クルーガー効果もバイアスの一つです。
 

 
経営 失敗 正常性バイアス
参照元は こちら

 
 
「正常性バイアス」とは、「自分は大丈夫だろう」と災害などの危険性を低く見積もってしまう心理です。
 
この傾向が強い社長も多く、他の会社や社長が倒産したり、苦しんでいたりしても、根拠なく「自分は大丈夫だろう」と考えています。ですから、経営を学ぶ必要性に気づいたとしても、「自分は勉強しなくて大丈夫だろう。。。」と考えて経営を知らないまま失敗していってしまいます。
 
 

経営 失敗 正常性バイアス 過信

 
 

【 原因 ⑤ 】 オリジナリティー強迫症

 
下の図を見てください。何と読めるでしょうか?
すぐに読めるでしょうか?
 
 

経営 失敗 オリジナリティー強迫症

 
 
これでは、どうでしょうか?
 
 

経営 失敗 オリジナリティー強迫症2

 
 
読みにくいですよね(笑)
最も分かり易く書くと下記です。
 
 

経営 失敗 オリジナリティー強迫症3

 
 
起業家は独自性が大事です。しかし、その思いが強過ぎると、「オリジナリティー強迫症」になってしまいます。
 
「オリジナリティー強迫症」になってしまうと、基本的なことを軽視します。そして、「自分なり」や「自分らしさ」という自分に都合のいい方法論に固執するようになります。
 
スポーツでもアートでも音楽でも、そして経営でも、同じ事が言えますが、活躍するような人たちや天才と言われるような人たちであればあるほど基本に忠実であることを忘れてはいけません。「守破離」という言葉がありますが、「守」が完璧にできているからこそ、オリジナリティーを生み出していけるのです。
 
社長における「基本中の基本」の一つは、経営を学び、経営という活動の要素と構造に詳しくなることです。
 
「オリジナリティー強迫症」になってしまうと、この基本がないまま経営をすることになります。結果として、成功する確率は著しく低くなります。
 
また多くの成功した社長が自分のポジションを明確にするために、オリジナリティーの重要性を訴えるので「オリジナリティー信仰」が生まれてしまいます。
 
隠しています(積極的に教えてはくれません)が、派手な社長でも成功し続けている社長は、実に基本がしっかり出来ています
 
 

【 原因 ⑥ 】 自信過剰の法則

 
これも認知バイアスとして広く知られている私たちの傾向の一つです。
 
「自信過剰の法則」とは、客観的な数値よりも、自分の評価を高く見積もってしまう傾向のことです。
 

経営 失敗 自信過剰の法則1

 
例えば、有名なのは大学の成績に関する自己評価の実験です。多くの生徒に「自分はクラスのどのあたりの成績だと思うか?」という質問をしたところ、下の図にあるように、多くの人は、自分を過大に評価するという事が分かったのです。
 
 

経営 失敗 自信過剰の法則2

 
 
・「上位20%に入っている」と答えた人は、全体の半分の50%もいました
・「中央値より低い」と答えた人は、全体の5%しかいませんでした
 
また運転免許を持っている人に、「あなたは運転が上手い方ですか?」と聞くリサーチでも同じような結果が出ました。
 
・「平均よりは上かな」と答えた人が、全体の90%になりました
 
同じような実験結果が、この他にもたくさんあります。
 
私たちには、このように自分を事実より良く自己評価してしまう傾向があることを理解して、気をつけていないといけません。
 
 

【 原因 ⑦ 】 外部要因思考

 
失敗した時や上手くいかなかった時に、その原因を自分以外の責任にする傾向を「外部要因思考」と言います。反対に、原因を自分の責任にしようとする傾向を「内部要因思考」と言います。
 
どちらが良いかというと、「内部要因思考」です。特に社長は、「内部要因思考」じゃないと成功するのは難しいです。
 
 

経営 失敗 外部要因思考

 
 
外部要因思考は心理的には、とても楽です。誰かのせいにしていれば、自分は安心できるからです。しかし、外部要因思考でいる限り、自分が変わる必要性を感じることが出来なくなります。その結果、成長できなくなります。成長できないで成功し続けられるほど、経営の世界は甘くありません。
 
外部要因思考の社長は、どれだけ上手くいかなくても、それを自分以外の責任にして、自分を守っています。ですから、自分を変える必要性を感じません。そして、経営を学ぶ必要なんてないと感じています。
 
 これらの「思考癖」と「社長としての成功度」の関係に関しては、無料レポート【成功し続ける社長がもつ「7つの特徴」】でも詳細に説明させてもらっていますので、良かったら読んでみてください。
 
 

【 原因 ⑧ 】 比較や相談する相手が間違っている

 
社長をやっていると悩むことも多いです。その時に、誰に相談するでしょうか?
 
本当だったら、少なくとも同じ社長に相談した方がいいはずです。出来れば、成功している社長、いや「成功し続けている社長」に相談したいところです。
 
しかし、経営を勉強していないような社長が、成功し続けているような社長と接する機会は、ほとんどありません。なぜなら、生きている世界が全く違うので、物理的に知り合うチャンスが少ないのです。
 
また残酷なようですが、成功し続けている社長は付き合う人を選びます。そうやって、身近に付き合う人を慎重に選んできたからこそ、成功し続けられたとも言えます。
 
ですから、経営を学ぼうとしない成長意欲のない社長とは真剣に付き合ってもくれないですし、嫌われたり煙たがられたりするリスクを冒してまで、叱ってくれたり、真剣にアドバイスをしてくれません。
 
こういう現実を、まだ成功していない、かつ経営を学ぶ必要がないと思っている社長は知る必要があると思います。
 
このようにして適切なアドバイスを得られることもなく、経営を学ぶ必要性を理解することが出来ないままでいる社長が多く存在することになってしまいます。
 
さらに、それらの社長は、本当に成功している社長ではなく、身近な社長(成功していない)と比較して、それほど差がないことに安心して「今のままでいい」と間違った評価をしてしまっています。
 
だから、何も変えようとしないのです。
 
 

【 原因 ⑨ 】 メンタルブロック

 
商売に対してネガティブな感情を持っている人は多いです。
 
これは仕方がない部分があります。社会の文脈がビジネスや商売に対してネガティブだからです。私たちは、その大きな文脈の中で育ちます。ですから、「商売のことを考えるのは卑しいことだ」という感覚を無意識のうちに持ってしまいます。
 
また「汗水垂らして働くのが美徳」という社会の文脈も邪魔になります。
 
 

経営 失敗 メンタルブロック

 
 
もちろん、一生懸命に仕事をすること自体は悪いことではありません。しかし、社長は「仕事の一つ一つをつなげて全体最適をする」役割です。一つの仕事に没入するべきではありません。
 
メンタルブロックが存在することよって、多くの社長は「経営ではなく仕事をする」ことを選択していってしまうのです。
 
経営ではなく、仕事を一生懸命にやればやるほど、全体最適は疎かになり、結局、社員一人一人の集合体としての最大成果は低くなっていきます。
 
メンタルブロックは、とても深い課題なので、このテーマだけで一冊の本を書いています。もし興味があれば、参考にしてみてください。
 

 
 

【 原因 ⑩ 】 確証バイアス

 
最後に、この「確証バイアス」が、自分の殻を強化していってしまいます。
 
 

経営 失敗 確証バイアス

 
 
「確証バイアス」とは、自分の持つ意見や信念を裏付ける証拠ばかり集めて、反対意見を支持するデータはあまり細かく見ようとしない傾向です。
 
自分が「現在、持っている考え」や「正しいと感じている」ことを強化するような証拠しか集めなってしまうということです。
 
私は創業時に大学の後輩と一緒に事業を始めたのですが、最初、彼は経営を学ぼうとしませんでした。そして「経営を学ぶ必要がない」という話を、他の社長から聞くと、その話を嬉しそうに披露していました。
 
その彼も3年ほどすると、経営を学ぶようになりました。
なぜでしょうか?
 
私が「経営を学ぶ重要性」を伝え続けたこともありますが、最も大きな理由は、経営を学ぶことを軽視していた身近な経営者が、ほぼ全て失敗していったのを目の前で見たからです。
 
彼も今では、経営に詳しい優秀な経営者の一人です。
 
しかし、多くの社長は彼のように自分の箱の中から出られません。
自分が正しいという証拠だけを集める傾向が、私たちにはあるからです。
 


 
 
以上の10通りが、社長が経営を学ばなくなる原因です。
 
会計事務所、経営コンサルティング会社で、中小企業の経営者の相談に乗って、一緒に問題を解決していくという仕事を始めて直ぐに驚かされたのは「社長が経営を知らない」「経営の全体像が分かっていない」「経営の要素を把握していない」ということでした。
 
経営をしているのに、経営を知らない、経営を勉強していない人が多くて、「そんな状態で成功できるわけがないだろう???」と不思議で仕方がなかったです。
 
起業を支援する会社を作って、起業支援を始めてからも、多くの社長が経営を知らないまま起業し、知らないまま経営をし、当然のように失敗していくのに、驚かされ続けてきましたが、数千人の社長のお手伝いをするうちに分かってきたのが、上記の10個の原因です。

4 社長が経営を学ばなくなるメカニズム


 
社長が「経営を学ぶ必要性」を感じなくなる原因を10通り見てきました。
 
どうだったでしょうか?
一つや二つは該当することがあっても、恥ずかしいことではありません。
 
今では成功している優秀な社長でも、大抵一つや二つの原因を持っていることがほとんどです。恥ずかしいことではありません。
 
どちらかと言うと、恥ずかしいことは、そういった自分を認めないことです。
認めずに、自分の狭い世界だけを守ることに力を注いでしまうことです。
 
社長が学ばなくなってしまう10通りの原因の複数を持っている社長がほとんどです。それら同士が強化しあって、勉強しない、経営を知らない、失敗するという悪循環を生んでしまっています。
 

社長 経営 学ばない 失敗 10の原因
 

  
<経営を学ぶ必要性を感じさせない原因>
 
【 原因 ① 】 ダニング・クルーガー効果
【 原因 ② 】 経営ではなく、仕事をしている
【 原因 ③ 】 偶然の成功
【 原因 ⑤ 】 オリジナリティー強迫症
【 原因 ⑨ 】 メンタルブロック
 
<必要性に気づいていない現状を強化する原因>
 
【 原因 ④ 】 正常性バイアス
【 原因 ⑥ 】 自信過剰の法則
【 原因 ⑦ 】 外部要因思考
【 原因 ⑧ 】 比較や相談する相手が間違っている
【 原因 ⑩ 】 確証バイアス
 
 
10通りの原因は、特殊な原因というわけではありません。
人ならば、誰にでも起こりうるようなことです。だからこそ、多くの優秀な社長が、その落とし穴に落ちてしまうわけです。
 
大切なのは、このメカニズムに気づくこと。
気づけば、あとは、それほど難しくありません。

5 最も簡単な解決策


 
最も簡単な解決策は、経営を知ることであり、経営を学ぶことです。
 
それが「経営を成功させ続けるための第一条件」です。
いや、「前提条件」と言ってしまった方が良いかもしれません。
 
それくらい重要なのに、多くの社長が、その重要性に気づかないまま、見当違いの努力を重ねて苦労した挙句、会社を潰してしまうのは、とても残念なことです。
 

社長 経営 学ばない 失敗 経営を学ぶことで解決
 

 
経営を学ぶことは、大変そうに聞こえるかもしれませんが、実は、とても楽です。
なぜなら、自分のペースで出来るからです。
 
経営活動の難しさの多くは、お客さんや取引先や社員という他者が介在することです。他者は思い通りになりません。それは多くの経営者が経験していることだと思いますし、苦労されている方がほとんどです。
 
しかし、経営を学ぶという解決策は、自分がやればできます。
これだけ楽なアクションは、なかなかありません。
 
それでいて、効果も大きい。
つまり、ローインプット・ハイリターンなのです。
 
一人の実践者(経営者)として、このメカニズムに気づいた時は「もう一生安泰だ」と思いました。経営を学び、学んだことを地道に実践していくだけで、経営を知らない多くのライバルに勝てるわけですから、こんなに楽なことはありません。
 
私はスポーツを競技として行うことも好きですが、スポーツの世界では「多くのプレイヤーが練習をしない、努力をしない」という状況は、とても考えられないことです。努力に努力を重ねた相手と戦わないといけないのが当然であり、努力をしない者が勝てると思っている人も少ないです。
 
正直なことを言ってしまうと、経営の世界の現状をスポーツの世界と比較して考えた時、「経営はラクだな」と感じました。
 
また、弊社が行っている「プレジデントアカデミー」で、多くの社長さんに対して、経営について学んでもらう機会を作れば、「87%もの会社が失敗して苦しんでいる」という現状を大きく変えられるかもしれないと思いました。
 
実際、プレジデントアカデミーで経営を学んだ多くの社長の会社は、変わって成功されています。しかし、世の中の大半の社長は、まだ変わっていません。自分たちの力不足を感じるとともに「必要性を感じていない人にサービスを提供した時に最大の効果を得る」という教育業の難しさを味わい続けています。
 
必要性がない人に必要性を理解してもらってから始まるビジネスは、ビジネスとしては非常に難しいです。しかし、実際に経営を学んで変わった社長を見ていると、本当に楽しそうなので、それを糧に頑張っています。
 
 
社長には免許に相当するようなものがありません。手を挙げれば出来る職種でもあります。普通、社会の中で、他者に迷惑がかかる可能性がある活動や行為、社会に危険が及ぶ可能性がある活動や行為は許認可制や免許制になっています。
 
しかし、会社を経営することは、多くの人を巻き込んでいく活動ですから、私たち社長が経営を上手くやらないと、他者や社会に迷惑をかけます。それにも関わらず、社長は免許も必要ないですし、許認可制でもありません。
 
それが多くの失敗者や、経営の失敗に起因する不幸を作っていると、数千という経営の現実の現場にいて強く感じます。
 
社長が「経営を学ぶことは義務」であるとすら感じます。
 
パイロットは、何年もかけてパイロットになることができます。さらに機長になろうと思ったら、実践をしながら、さらに10年以上かかる。命を預かっているのだから、当然のことかもしれません。
 
本来、社長も同じはずです。命とは与えられた時間でもありますから、関わってくれる人の命を預かっているのと同じです。また実際に失敗すると、多くの人に迷惑をかけてしまいます。
 
それにも関わらず、最低限の経営の基本を学ぶことすら義務になっていないから、多くの社長は、経営の基本的なことも知らずに経営を始めてしまう。そして、失敗していく。
 
そういう現実を、変えていかないといけないと思います。
 
経営を学んで損になることなど微塵もありません。
ぜひ、自分自身の為にも、あなたの経営に関わってくれる多くの人の為にも、経営を学んでいって欲しいと願っています。

6 まとめ


 
最後に、簡潔にまとめておきましょう。
 
・87%もの会社が失敗している原因は、社長が経営を知らないから
 
・社長が経営を学ぼうとしないのは、10通りの原因がある
 
【 原因 ① 】 ダニング・クルーガー効果
【 原因 ② 】 経営ではなく、仕事をしている
【 原因 ③ 】 偶然の成功
【 原因 ④ 】 正常性バイアス
【 原因 ⑤ 】 オリジナリティー強迫症
【 原因 ⑥ 】 自信過剰の法則
【 原因 ⑦ 】 外部要因思考
【 原因 ⑧ 】 比較や相談する相手が間違っている
【 原因 ⑨ 】 メンタルブロック
【 原因 ⑩ 】 確証バイアス
 
・「必要性に気づかない原因」と「必要性に気づいていない現状を強化する原因」があり、社長が経営を知らないままになっている
 
・結果として、87%の会社が失敗していく
 
87%もの会社が失敗している原因は「社長が経営を知らないから」であり、「社長が経営を学ぼうとしないから」です。
 
社長が経営を学ぼうとしないのは不思議なことですが、10通りの原因があります。多くの経営を学ばずに失敗していく社長は、それらの原因を複数持っていて、それらがマイナスの相乗効果を作っています。
 
解決策は、とても簡単です。経営を学ぶ努力をすればいいのです。
成功し続けている社長は、例外なく学び続けています。
 
学ぶことで経営の成功率が上がるのなら、こんなに費用対効果が高い投資はありません。社長は、まず、経営の全体像を体系的に知ることが、何よりも重要なことです。
 
ですから、「社長の仕事」の第一歩は、経営を学ぶことなのです。

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浜口隆則

著者/浜口 隆則
株式会社ビジネスバンク 代表取締役社長

 
横浜国立大学教育学部卒、ニューヨーク州立大学経営学部卒。
会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援する仕事をするために20代で「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションにした株式会社ビジネスバンクを創業。現在は起業支援サービスを提供する複数の会社を所有するビジネスオーナーであり、アーリーステージの事業に投資する投資家でもある。「幸福追求型の経営 / 戦わない経営 / 小さな会社のブランド戦略」など、独自の経営理論にはファンが多い。
 

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